当院の小児歯科では、ブラッシング指導、フッ素塗布、シーラントにてお子様のお口の健康を守ることに努めております。しかし、「治療しないように予防」をしていくことが、大事なのは言うまでもありません。
また、乳歯が永久歯に交換していく過程もしっかり見守り、定期検診を行うことで永久歯を虫歯から守るようにしましょう。
これから気を付けてほしいことをいくつかお話しします。
まず、虫歯はご両親やご家族から感染します
虫歯はお父さん、お母さん、またはおじいちゃんおばあちゃんなど身近な家族内感染から虫歯菌がうつるということをご存じでしょうか?
生まれたばかりの赤ちゃんには歯がないので虫歯菌も存在しません。
では、なぜご家族との生活の中でうつってしまうのでしょうか?
以下、虫歯菌をうつす原因を示しますので気を付けて下さい。
- 噛み与えなどの口移しやスプーン、箸、コップなどの直接口に触れる食事や食器などを共有する行為
- スキンシップとしての直接、口と口をつけるキスなど
虫歯菌をうつさないためにはこのような対策が必要です。もちろんご家族全員がお口のケアをしっかり行うことがです。大切なお子さんのためにも、しっかり意識しながら予防をしていきましょう。
子供の歯を守るためにはご両親やご家族の協力が必要です
子供の乳歯は大人の永久歯に比べ、柔らかいために虫歯になりやすい性質を持っています。
しかし、お子さんは自身では頑張って歯を磨いていても、なかなかうまく磨くことができません。ご両親の協力が不可欠となりますので、日ごろから気にかけてあげてください。
小児の虫歯予防について
お子様の虫歯を予防するための当院の治療についてご説明いたします。
当院では治療を嫌がるお子さんの場合はいきなり治療を行うのではなく、口の中を見せてもらう練習やうがい、慣れたら歯磨きをさせてもらうなど、まずは医院の雰囲気に慣れてもらい、治療を始めていきます。。
また、お母さんとユニットに座っていただきながら、頑張れるようであれば診療を行うなど、状況に応じてご家族と相談をしながら進めていきます。
ブラッシング指導
成長過程にある子どもの口の中は、乳歯が生えてきたり、抜けたり、永久歯が生えてきたりと常に変化しているので、その時々に適した歯ブラシで、適切なブラッシングができていることが大切です。
当院ではお子様お一人お一人に適したブラッシング方法を丁寧に指導させていただきます。
そしてご家庭でも、正しいブラッシングを続けていただくことでお口の健康が維持されますので、是非とも頑張っていただければと思います。
保護者の方はお子様がご自分で上手に歯磨きが出来たら沢山褒めてあげてください。子どもの頃によい習慣が根付くことは大人になってからのお口の健康にもつながります。
フッ素塗布
フッ素を歯面に塗布することで歯質を強くし虫歯菌への抵抗力を高める効果があります。
フッ素の効果は永久ではないので定期的に歯の表面に塗布することで虫歯予防につなげます。
ごく初期の虫歯であれば、フッ素の塗布によって歯の再石灰化が促されて、虫歯の治癒が期待できるケースもあります。
シーラント
乳歯の奥歯や、生え変わってすぐの永久歯の奥歯の噛み合わせ深い溝には、食べかすが入りやすい上にブラッシングもしにくいため、虫歯になりやすいという傾向があります。
そこで虫歯になる前にあらかじめ、歯科用のプラスチック樹脂でその溝を埋めておくことで、虫歯を予防するものがシーラントです。
子どもの外傷
ぶつかったり転んだりしたことで、唇やお口の中が切れてしまって出血してしまったり、歯を強く打ったり、折れたりしてしまうお子さんは少なくありません。
当院ではお口の中やお口周りの怪我にも対応、緊急性の高いケースの応急処置、歯の固定、歯の再植、唇や歯肉を縫って止血させる処置などを行っています。
口周りを強く打つなどして歯が抜け落ちてしまった場合には、歯を歯の専用の保存液や生理食塩水に入れて、なるべく早めに受診してください。保存液の代用として牛乳が使えます。とにかく乾燥させないこと、水洗いをしないことが重要です。上記の保存液や生理食塩水がない場合はお口に入れて唾液で歯を満たして来院していただいて構いません。
保存可能と思われる抜け落ちた歯は元の位置に戻す再植を行い、定着を期待します。歯が抜け落ちてから受診までの時間が早ければ早いほど再植手術がうまくいく率が上がります。
詳しくは 歯科口腔外科(親知らず・顎関節症以外)の外傷 もご覧ください。
保護者の皆様へお願い
ご家庭で「歯磨きしないと歯医者さんに行くよ、泣いても知らないよ」など、保護者の方などが怖がらせるようなことを言ってしまっている場合に、お子さんは歯科治療を受けたことがないはずなのに来院時には既に歯科医院を怖がってしまっているケースもあります。
歯科医院に先入観なく訪れて、少しずつ慣れていき、怖くないところ、痛くならないように治してくれるところ、という認識をお子さんが持てれば、生涯に渡り、虫歯や歯周病に悩まされない、いつまでも健康なお口で過ごせることにつながっていきます。
以上から、お子さんに歯科医院が怖いところという先入観はなるべく与えないように、また、治療を上手に頑張れた場合にはお家でも沢山褒めてあげていただけますでしょうか。保護者の皆様にご協力いただければ大変嬉しく思います。